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エレノア代表の豊島と申します。
ランサムウェアの被害は、大企業だけの問題とお考えではございませんか?
警察庁が2026年9月に公表した統計では、2026年上半期の被害の報告は123件でした。そのうち約6割が中小企業です。本記事では、警察庁の統計と公的機関の資料を基に、被害の現状と、中小企業で取り組める対策をご紹介いたします。
本記事の内容
- 2026年上半期の被害の件数と規模
- 侵入の経路と、復旧にかかった費用
- バックアップの実態と、公的機関が勧める対策
ランサムウェアの概要
ランサムウェアは、パソコンやサーバーのデータを暗号化し、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する不正なプログラムです。近年は、データを盗んだうえで「支払わなければ公開する」と脅す二重恐喝が、被害の多くを占めています。
データを暗号化せず、盗んだデータの公開を予告して金銭を要求する手口もございます。警察庁は、この手口をノーウェアランサムと呼んでいます。
2026年上半期の被害の件数と規模
警察庁の令和8年上半期の統計によると、ランサムウェアの被害の報告は123件でした。統計を取り始めた2020年下半期以降、半期として最多です。
| 項目 | 2025年(1年間) | 2026年上半期 |
|---|---|---|
| 被害の報告 | 226件 | 123件 |
| うち中小企業 | 143件 | 79件 |
| 侵入の経路に占めるVPN機器 | 6割以上 | 約5割 |
| 復旧の費用が1,000万円以上 | 5割超 | 約6割 |
2026年上半期の被害を規模別に見ると、中小企業が79件、大企業が31件、団体などが13件でした。業種別では、製造業の37件が最多で、卸売業・小売業の15件が続きます。ノーウェアランサムの被害も9件報告されています。
侵入の経路と、復旧にかかった費用
侵入の経路が判明した36件のうち、18件はVPN機器、9件はリモートデスクトップでした。VPN機器は、社外から社内のネットワークに接続するための機器です。リモートデスクトップは、離れた場所からパソコンを操作する機能です。どちらも、社外からの接続の入口となります。
復旧にかかった費用は、1,000万円以上の組織が全体の約6割を占めました。1か月未満で復旧できた組織は、5割弱にとどまります。
バックアップの実態
被害に遭った組織の多くは、バックアップを取得していました。回答があった50件のうち、44件がバックアップを取得していました。
一方、バックアップから復元できたのは、回答があった40件のうち11件にとどまります。復元できなかった理由で最も多いのは、バックアップも暗号化または消去されていたことでした。
公的機関が勧める対策
警察庁のランサムウェア被害防止対策では、次の対策を勧めています。
- 1. VPN機器などの更新を怠らず、修正の公開された脆弱性を放置しない
- 2. 社外からの接続に、多要素認証を設定する
- 3. バックアップをこまめに取得し、ネットワークから切り離して保管する
- 4. 被害を想定した訓練で、バックアップからの復旧の手順を確認する
身代金の支払いについて、警察庁は、犯罪グループの活動資金となるおそれがあると説明しています。支払っても、データの復元が保証されるものではございません。
被害に遭った場合の相談先
被害に遭った場合は、警察のサイバー事案の相談窓口に相談します。個人データが暗号化されて復元できなくなった場合は、個人情報保護委員会への報告が必要となる場合がございます。
よくある質問
従業員が数人の会社も、狙われますか?
警察庁の統計では、被害の約6割が中小企業です。社外から接続するための機器やサービスを使っている場合は、会社の規模にかかわらず対策が必要です。
バックアップを取っていれば安心ですか?
2026年上半期の統計では、バックアップから復元できた組織は回答の約3割でした。バックアップをネットワークから切り離して保管し、復元の手順を定期的に確認しておくことが重要です。
まとめ
- 2026年上半期のランサムウェアの被害は123件で、約6割が中小企業でした
- 侵入の経路はVPN機器とリモートデスクトップが多く、復旧の費用は約6割が1,000万円以上でした
- バックアップは取得していても、ネットワークから切り離した保管と復元の確認が必要です
本記事は、2026年10月22日時点の警察庁と公的機関の公表資料を基にした一般的な情報です。ホームページの制作と、公開後の保守のご相談は、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。